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イコールで繋がったアルバム

やばい!いよいよサマソニまであと一週間を切りました!

戦闘準備は整ってるか!いや・・整ってない!

ということでサマーソニック06出演アーティスト特集第2弾!
今回は不思議な日本語と芸術性の高い音楽を操るあのバンドのアルバムです。

equal/ACIDMAN  ★★★★☆

equal     (CCCD) equal (CCCD)
ACIDMAN (2004/09/15)
東芝EMI
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ACIDMAN 3rd アルバム


曲目:
① 0=ALL  ★★★
introは静かに、そして柔らかな光に包まれるように幕を上げるインスト。途中に入る消えいるようなボーカルが幻想感を一層引き立てます。
例えるなら、朝目覚める前のまどろみ。

② FREAK OUT ★★★★★
前曲で静かに目覚めた朝は、一転この曲で鮮やかに爆発します。
生半可な朝ではありません。眠気など一気に吹き飛ばす強烈な朝です。
それは歌詞の「命はそうスーパーノヴァ」という言葉に表れているのではないでしょうか。①、②で思わず連想させられる朝のイメージは、ACIDMANが唄う「生命の朝」なのです。
①、②両曲のセットで朝テンションを上げたい時にオススメ。

③ 降る秋 ★★★☆
FREAK OUTと同じく攻撃的ですが、全面的にハイテンションなFREAK OUTよりもどちかと言えば1曲の中で明と暗の抑揚がついた1曲。

④ イコール ★★★★☆
このアルバムの主題でもある「イコール」。物憂げなメロディの中にどこか優しさがあります。「イコール」という独特の観点で世界を捉えた歌詞が非常に面白いです。
終盤の「世界をイコールで繋ぐ」というテーマを訴えるように歌いかける部分は一聴の価値アリ。

⑤ 水写  ★★★
落ち着いた静かなバラード。そしてその静かな水面のような伴奏に沿って、映る自然全てが美しく歌われています。

⑥ 彩-SAI- (前編) ★★
中々珍しい二曲構成で成る曲の前編。まずはインスト。

⑦ 彩-SAI- (後編) ★★★☆
前編と繋がる後半部分。こちらは歌が入ってきます。徹底的に緩やかで「雨の日の空気」のような1曲。しかし、歌が入っても前編と変わらずインストのようにBGMとして優しく耳に聞こえてくるのが不思議。

⑧ 暁を残して ★★★★☆
静かなイントロから前曲の余韻でこれもバラードかな、と思わせておいてから・・逆にこれでもかと一気に盛り上がっていきます。いい意味で裏切られる曲。
⑦からの静から動への移行、生み出されるギャップが見事であり、8曲目というポジションがこの曲の価値を二倍にも三倍にも引き出していると言えるでしょう。

⑨ colors of the wind  ★★★
全英語詞。そのせいか、曲の軽さと相成って重厚な曲が多いこのアルバムでも比較的ラクに聞ける曲。

⑩ migration 1064 ★★★★
ACIDMANの曲は全体的にクセが強く聞く人を選ぶ感がありますが、この曲の持つ「爽快感」はひたすら耳に馴染み易いです。しかしACIDMANにしては珍しいんじゃないかと思える程明るく疾走する旋律が何故か余計にバラード以上の「切なさ」を感じさせます。聞く度にちょっと泣きそうになります。

⑪ cps ★★
気だるいインスト。終焉は近いです。

⑫ 廻る、巡る、その核へ ★★★★
これも「彩-SAI-」と同じく⑪→⑫とセットになってる曲。
終幕に相応しい何と9分超という大作。
スローテンポで陰鬱な曲調ながら、その荘厳で圧倒的な音の波は聞く者の耳に痛いほど迫ってきます。その様子は正に「混沌」。一歩間違えればドラッグ音楽にも成りかねない音の「うねり」があります。
正直この曲を全部聞き終えた直後はどっと疲れてしまいました(汗

レビュー:
このアルバムをまず耳を一度だけ通した時は、そこまで思った程「良さ」を体感できなかったのが正直な所でした。

それは今思えば2ndアルバム「Loop」のイメージが余りに強烈すぎたからだと思います。





しかし「equal」を幾度となく聞き込んでいく内に・・・

ふと、ある時です。










「アッ!」






と唐突にアルバムの良さを気付き始めたのです。

それはもう劇的でした。
今まで数曲以外は何となくしか耳に入ってこなかったアルバムの1曲1曲が燦然と輝き始めたのです。

つまり、恥ずかしながら私は「聞き込むこと」によってようやく「equal」というアルバムの本当の姿が見え始めたのです。


聞き込むことで「本当の凄さ」が垣間見え始める・・
そこからは見事に聞けば聞くほど味が出る名盤に変貌しました。

しかしここで疑問が。

Q:『では何故私自身「equal」を良盤だと気付くまでに幾度も聞き込み、時間をかける必要があったのだろうか?』


今回レビューをするに当たって、自分なりに改めてこのアルバム全体を考えた時・・
一つの答えが見えてきました。

それは『二曲構成』です。


一例を挙げれば「インスト→歌あり」という形式で
・「0=ALL」→「FREAK OUT」
・「彩-SAI- (前編)」→「彩-SAI- (後編)」
・「cps」→「廻る、巡る、その核へ」
と3組挙がりますが、これは前後の曲の兼ね合いによって後ろの曲の良さが最大限に発揮されています。


しかし上記以外にも
「前の曲が後ろの曲の良さを引き出している。」
という条件で見れば明確な二曲構成でなくとも更に
・「降る秋」→「イコール」(動→静)
・「彩-SAI- (後編)」→「暁を残して」(静→動)
・「colors of the wind」→「migration 1064 」(アルバム内でも聞き易いポップな二曲)
と挙げればキリがありません。

つまり徹底した「(1曲前の曲が後ろを引き立てる)二曲構成」を一貫することで、結果①→⑫まで見事にドミノ倒しのようにどの曲も曲単体よりも良さが発揮されているのです。

今まで曲単品で掻い摘んで聴く機会が多かった私は、続けて聴くことで「equal」の二曲連鎖を(直感的にでも)気付くまで少々時間が掛かってしまった訳です。

確かに『1曲1曲単位で見た時』、これは正直「Loop」の方が衝撃的な曲が多かったです。

しかし二曲構成で作られた波の高さは時に曲単体の高波を上回る時があります。
そして二曲の波が数珠のように繋がる『アルバムを通して見た時』、正にそこに「equal」の素晴らしさがあるのです。

最後に:
思えばチャドさんとの出会いがなければロックに疎い私がこのバンドに巡り合うこともなかったと思います。
そんなまだ「にわか」の粋を出ないであろうこの私が、大層にレビューするなんておこがましいかもしれませんが、とある会話の中でこのアルバムを実際に掘り下げて考える機会があったことと、今回奇遇にもサマソニ06に8/13(日)の東京のみですが遂にACIDMANが登場するということで、残念ながら大阪公演に突撃予定の私はその勇姿を拝むことはできませんが、「これも何かの縁だ」ということでアルバムだけでも、と果敢にも取り挙げてみました。

しかし、いざやってみると非常に難しかったです(汗
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非公開コメント

今更ですが模様替えお疲れ様です。
爽やか系ですね、適当な感想でスミマセン。

イコールは聞き込まないとアレ?って感じは否めないですよね^^;
正直最初聴いたときは降る秋くらいしかピンとこなかったんですよ。

▼black coffeeさん
頻繁にテンプレコロコロ変える輩なので、適当な感想でもむしろ有難かったりしますw

ただ「fire」が入ってるブログ名とは裏腹に、全く逆の「水」を意識したテンプレだったりするのですが(ぁ

>イコールは聞き込まないとアレ?って感じは否めないですよね^^;

私の場合、LOOPとEQUALをほぼ同時に聞き始めたので余計に「アレ?」という気持ちが強かったです。どうしても比較せざるを得ませんでした。

その分時間が経ってからEQUALがLOOPを上回るほどの評価になったのは、自分の中でも驚きでした。聞き込んでから印象が変わるアルバムってのもなかなか出会えないですよね。

降る秋は改めて聞いてみるとすごいシブイ曲ですよね。陰と陽のギャップがすごいなぁ、と感じます。

私の中でも最初はミーハーにイコールしかイイなぁ、としか思わなかったんですよ。

それは「名盤」という肩書きが無駄に壁を作ってたのかもしれませんね。はい、素直にソレを認めたくない天邪鬼なんですよ(´・ω・)

私も同じクチです。正直、他の方のレビューなどを見て“どうして equal > Loop なの?”とずっと思っていました。
もちろん、 Loop が名盤であるという事は変わりありませんが、 equal はそれ以上の評価を得るに相応しいアルバムだという事もわかったような気がします。

良く“equal と Loop の間で音が変わった”という評価を見かけるのですが、私なりにそれはベースの音ではないかな、と。
それが一番良くわかるのは、 "migration 10 64" ("10" の "64" 乗なので10と64の間にはスペースなりを入れるのが妥当かな、なんて思ったり) であると思います。
こんなに軽快なベースの音は Loop や創には無い音だったんですよね。
それは、後の "and world" にも受け継がれていて。

うーん。
ベースが変わるとバンドが変わる、ってのは間違ってませんね。
精進せねば。

トラックバックありがとうございます。
というかつい先ほど気付きましたw

マイブログの放置っぷりには自分でもあきれてしまうくらいですが、そろそろリニューアルでもして再開しよーかなぁなんて思ってますが

なんかマーさんの素晴らしいレビュー見たらやる気なくしてしまいましたよww

いやしかし本当にマーさんのレビューの質はいつ見ても頭が下がります。

僕もなんとなく「EQUAL」はアルバム通して聴くときの方が感動の仕方が違うとは感じていたんですが、マーさんの解説を見てなるほどと思わされました。

これからもマーさんのレビウ楽しみにしておりますよ(`・ω・´)

▼のっとさん
equalかloopがどちらが好きかは、これはもう突き詰める所、最終的には各人の好みに寄ると思います。

私はequalを推しましたが、かと言ってのっとさんの仰るようにLoopも傑作であることから、どっちか無理に比べることもないのかもしれませんね。

>こんなに軽快なベースの音は Loop や創には無い音だったんですよね。
それは、後の "and world" にも受け継がれていて。
「and world」は残念ながらまだ未聴だったりすのですが、聞くところによると、ポップな音はしっかりと受け継がれているようですね。

そう考えると彼らの音はまだまだ変化していってるようで・・・できれば、これからもACIDMANらしさを失わないで欲しいと個人的には願います。

>ベースが変わるとバンドが変わる
バンドにとって、私はボーカルは顔、ギターは容姿、ベースは内臓、そしてドラムは背骨だと思っています。

どれが欠けても駄目ですが、やっぱりリズム隊の変化は曲の「格好良さ」に影響してくるんですよね。特にベースライン一つで劇的に格好良くなったりしますし、私がベース&ドラムに惹かれる理由もそのへんにあったりします。

のっとさんも頑張って下さい!b

▼チャドさん
事後報告になってしましましたが、今回のレビューに当たってチャドさんの記事は大変参考になりました。こちらこそ感謝感謝ですよ。

>マイブログの放置っぷりには自分でもあきれてしまうくらいですが、そろそろリニューアルでもして再開しよーかなぁなんて思ってますが
ここに一人、その復活をこっそり期待させて貰ってる者がいますよ(・∀・)今でもちょくちょく覗きに行ってるのは秘密でs(ry

>なんかマーさんの素晴らしいレビュー見たらやる気なくしてしまいましたよww
何を仰います。チャドさんのEqualのレビューと比べるとまだまだだな、と痛感させられますよorz
何ていうか、曲の裏情報であったり、バンドの背景に対する考察が全然できてなくって・・

>僕もなんとなく「Equal」はアルバム通して聴くときの方が感動の仕方が違うとは感じていたんですが、マーさんの解説を見てなるほどと思わされました。

これも今回はEqualの良さを語る上で、自分なりに半ば強引に「二曲構成」に目を付けそれっぽく言ってみただけで、本来はチャドさんの言うように「アルバムを通して聴く」意識だけで充分伝わることだと思います。

良さは本来理屈で語ることではないんでしょうが・・
変に意味を求めてしまうあたり理系臭いですなぁ(´・ω・)

こんなレビューで宜しければ、これからもちょくちょくですが放出していこうと思いますw

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