イコールで繋がったアルバム
やばい!いよいよサマソニまであと一週間を切りました!
戦闘準備は整ってるか!いや・・整ってない!
ということでサマーソニック06出演アーティスト特集第2弾!
今回は不思議な日本語と芸術性の高い音楽を操るあのバンドのアルバムです。
equal/ACIDMAN ★★★★☆
ACIDMAN 3rd アルバム
曲目:
① 0=ALL ★★★
introは静かに、そして柔らかな光に包まれるように幕を上げるインスト。途中に入る消えいるようなボーカルが幻想感を一層引き立てます。
例えるなら、朝目覚める前のまどろみ。
② FREAK OUT ★★★★★
前曲で静かに目覚めた朝は、一転この曲で鮮やかに爆発します。
生半可な朝ではありません。眠気など一気に吹き飛ばす強烈な朝です。
それは歌詞の「命はそうスーパーノヴァ」という言葉に表れているのではないでしょうか。①、②で思わず連想させられる朝のイメージは、ACIDMANが唄う「生命の朝」なのです。
①、②両曲のセットで朝テンションを上げたい時にオススメ。
③ 降る秋 ★★★☆
FREAK OUTと同じく攻撃的ですが、全面的にハイテンションなFREAK OUTよりもどちかと言えば1曲の中で明と暗の抑揚がついた1曲。
④ イコール ★★★★☆
このアルバムの主題でもある「イコール」。物憂げなメロディの中にどこか優しさがあります。「イコール」という独特の観点で世界を捉えた歌詞が非常に面白いです。
終盤の「世界をイコールで繋ぐ」というテーマを訴えるように歌いかける部分は一聴の価値アリ。
⑤ 水写 ★★★
落ち着いた静かなバラード。そしてその静かな水面のような伴奏に沿って、映る自然全てが美しく歌われています。
⑥ 彩-SAI- (前編) ★★
中々珍しい二曲構成で成る曲の前編。まずはインスト。
⑦ 彩-SAI- (後編) ★★★☆
前編と繋がる後半部分。こちらは歌が入ってきます。徹底的に緩やかで「雨の日の空気」のような1曲。しかし、歌が入っても前編と変わらずインストのようにBGMとして優しく耳に聞こえてくるのが不思議。
⑧ 暁を残して ★★★★☆
静かなイントロから前曲の余韻でこれもバラードかな、と思わせておいてから・・逆にこれでもかと一気に盛り上がっていきます。いい意味で裏切られる曲。
⑦からの静から動への移行、生み出されるギャップが見事であり、8曲目というポジションがこの曲の価値を二倍にも三倍にも引き出していると言えるでしょう。
⑨ colors of the wind ★★★
全英語詞。そのせいか、曲の軽さと相成って重厚な曲が多いこのアルバムでも比較的ラクに聞ける曲。
⑩ migration 1064 ★★★★
ACIDMANの曲は全体的にクセが強く聞く人を選ぶ感がありますが、この曲の持つ「爽快感」はひたすら耳に馴染み易いです。しかしACIDMANにしては珍しいんじゃないかと思える程明るく疾走する旋律が何故か余計にバラード以上の「切なさ」を感じさせます。聞く度にちょっと泣きそうになります。
⑪ cps ★★
気だるいインスト。終焉は近いです。
⑫ 廻る、巡る、その核へ ★★★★
これも「彩-SAI-」と同じく⑪→⑫とセットになってる曲。
終幕に相応しい何と9分超という大作。
スローテンポで陰鬱な曲調ながら、その荘厳で圧倒的な音の波は聞く者の耳に痛いほど迫ってきます。その様子は正に「混沌」。一歩間違えればドラッグ音楽にも成りかねない音の「うねり」があります。
正直この曲を全部聞き終えた直後はどっと疲れてしまいました(汗
レビュー:
このアルバムをまず耳を一度だけ通した時は、そこまで思った程「良さ」を体感できなかったのが正直な所でした。
それは今思えば2ndアルバム「Loop」のイメージが余りに強烈すぎたからだと思います。
しかし「equal」を幾度となく聞き込んでいく内に・・・
ふと、ある時です。
「アッ!」
と唐突にアルバムの良さを気付き始めたのです。
それはもう劇的でした。
今まで数曲以外は何となくしか耳に入ってこなかったアルバムの1曲1曲が燦然と輝き始めたのです。
つまり、恥ずかしながら私は「聞き込むこと」によってようやく「equal」というアルバムの本当の姿が見え始めたのです。
聞き込むことで「本当の凄さ」が垣間見え始める・・
そこからは見事に聞けば聞くほど味が出る名盤に変貌しました。
しかしここで疑問が。
Q:『では何故私自身「equal」を良盤だと気付くまでに幾度も聞き込み、時間をかける必要があったのだろうか?』
今回レビューをするに当たって、自分なりに改めてこのアルバム全体を考えた時・・
一つの答えが見えてきました。
それは『二曲構成』です。
一例を挙げれば「インスト→歌あり」という形式で
・「0=ALL」→「FREAK OUT」
・「彩-SAI- (前編)」→「彩-SAI- (後編)」
・「cps」→「廻る、巡る、その核へ」
と3組挙がりますが、これは前後の曲の兼ね合いによって後ろの曲の良さが最大限に発揮されています。
しかし上記以外にも
「前の曲が後ろの曲の良さを引き出している。」
という条件で見れば明確な二曲構成でなくとも更に
・「降る秋」→「イコール」(動→静)
・「彩-SAI- (後編)」→「暁を残して」(静→動)
・「colors of the wind」→「migration 1064 」(アルバム内でも聞き易いポップな二曲)
と挙げればキリがありません。
つまり徹底した「(1曲前の曲が後ろを引き立てる)二曲構成」を一貫することで、結果①→⑫まで見事にドミノ倒しのようにどの曲も曲単体よりも良さが発揮されているのです。
今まで曲単品で掻い摘んで聴く機会が多かった私は、続けて聴くことで「equal」の二曲連鎖を(直感的にでも)気付くまで少々時間が掛かってしまった訳です。
確かに『1曲1曲単位で見た時』、これは正直「Loop」の方が衝撃的な曲が多かったです。
しかし二曲構成で作られた波の高さは時に曲単体の高波を上回る時があります。
そして二曲の波が数珠のように繋がる『アルバムを通して見た時』、正にそこに「equal」の素晴らしさがあるのです。
最後に:
思えばチャドさんとの出会いがなければロックに疎い私がこのバンドに巡り合うこともなかったと思います。
そんなまだ「にわか」の粋を出ないであろうこの私が、大層にレビューするなんておこがましいかもしれませんが、とある会話の中でこのアルバムを実際に掘り下げて考える機会があったことと、今回奇遇にもサマソニ06に8/13(日)の東京のみですが遂にACIDMANが登場するということで、残念ながら大阪公演に突撃予定の私はその勇姿を拝むことはできませんが、「これも何かの縁だ」ということでアルバムだけでも、と果敢にも取り挙げてみました。
しかし、いざやってみると非常に難しかったです(汗
戦闘準備は整ってるか!いや・・整ってない!
ということでサマーソニック06出演アーティスト特集第2弾!
今回は不思議な日本語と芸術性の高い音楽を操るあのバンドのアルバムです。
equal/ACIDMAN ★★★★☆
![]() | equal (CCCD) ACIDMAN (2004/09/15) 東芝EMI この商品の詳細を見る |
ACIDMAN 3rd アルバム
曲目:
① 0=ALL ★★★
introは静かに、そして柔らかな光に包まれるように幕を上げるインスト。途中に入る消えいるようなボーカルが幻想感を一層引き立てます。
例えるなら、朝目覚める前のまどろみ。
② FREAK OUT ★★★★★
前曲で静かに目覚めた朝は、一転この曲で鮮やかに爆発します。
生半可な朝ではありません。眠気など一気に吹き飛ばす強烈な朝です。
それは歌詞の「命はそうスーパーノヴァ」という言葉に表れているのではないでしょうか。①、②で思わず連想させられる朝のイメージは、ACIDMANが唄う「生命の朝」なのです。
①、②両曲のセットで朝テンションを上げたい時にオススメ。
③ 降る秋 ★★★☆
FREAK OUTと同じく攻撃的ですが、全面的にハイテンションなFREAK OUTよりもどちかと言えば1曲の中で明と暗の抑揚がついた1曲。
④ イコール ★★★★☆
このアルバムの主題でもある「イコール」。物憂げなメロディの中にどこか優しさがあります。「イコール」という独特の観点で世界を捉えた歌詞が非常に面白いです。
終盤の「世界をイコールで繋ぐ」というテーマを訴えるように歌いかける部分は一聴の価値アリ。
⑤ 水写 ★★★
落ち着いた静かなバラード。そしてその静かな水面のような伴奏に沿って、映る自然全てが美しく歌われています。
⑥ 彩-SAI- (前編) ★★
中々珍しい二曲構成で成る曲の前編。まずはインスト。
⑦ 彩-SAI- (後編) ★★★☆
前編と繋がる後半部分。こちらは歌が入ってきます。徹底的に緩やかで「雨の日の空気」のような1曲。しかし、歌が入っても前編と変わらずインストのようにBGMとして優しく耳に聞こえてくるのが不思議。
⑧ 暁を残して ★★★★☆
静かなイントロから前曲の余韻でこれもバラードかな、と思わせておいてから・・逆にこれでもかと一気に盛り上がっていきます。いい意味で裏切られる曲。
⑦からの静から動への移行、生み出されるギャップが見事であり、8曲目というポジションがこの曲の価値を二倍にも三倍にも引き出していると言えるでしょう。
⑨ colors of the wind ★★★
全英語詞。そのせいか、曲の軽さと相成って重厚な曲が多いこのアルバムでも比較的ラクに聞ける曲。
⑩ migration 1064 ★★★★
ACIDMANの曲は全体的にクセが強く聞く人を選ぶ感がありますが、この曲の持つ「爽快感」はひたすら耳に馴染み易いです。しかしACIDMANにしては珍しいんじゃないかと思える程明るく疾走する旋律が何故か余計にバラード以上の「切なさ」を感じさせます。聞く度にちょっと泣きそうになります。
⑪ cps ★★
気だるいインスト。終焉は近いです。
⑫ 廻る、巡る、その核へ ★★★★
これも「彩-SAI-」と同じく⑪→⑫とセットになってる曲。
終幕に相応しい何と9分超という大作。
スローテンポで陰鬱な曲調ながら、その荘厳で圧倒的な音の波は聞く者の耳に痛いほど迫ってきます。その様子は正に「混沌」。一歩間違えればドラッグ音楽にも成りかねない音の「うねり」があります。
正直この曲を全部聞き終えた直後はどっと疲れてしまいました(汗
レビュー:
このアルバムをまず耳を一度だけ通した時は、そこまで思った程「良さ」を体感できなかったのが正直な所でした。
それは今思えば2ndアルバム「Loop」のイメージが余りに強烈すぎたからだと思います。
しかし「equal」を幾度となく聞き込んでいく内に・・・
ふと、ある時です。
「アッ!」
と唐突にアルバムの良さを気付き始めたのです。
それはもう劇的でした。
今まで数曲以外は何となくしか耳に入ってこなかったアルバムの1曲1曲が燦然と輝き始めたのです。
つまり、恥ずかしながら私は「聞き込むこと」によってようやく「equal」というアルバムの本当の姿が見え始めたのです。
聞き込むことで「本当の凄さ」が垣間見え始める・・
そこからは見事に聞けば聞くほど味が出る名盤に変貌しました。
しかしここで疑問が。
Q:『では何故私自身「equal」を良盤だと気付くまでに幾度も聞き込み、時間をかける必要があったのだろうか?』
今回レビューをするに当たって、自分なりに改めてこのアルバム全体を考えた時・・
一つの答えが見えてきました。
それは『二曲構成』です。
一例を挙げれば「インスト→歌あり」という形式で
・「0=ALL」→「FREAK OUT」
・「彩-SAI- (前編)」→「彩-SAI- (後編)」
・「cps」→「廻る、巡る、その核へ」
と3組挙がりますが、これは前後の曲の兼ね合いによって後ろの曲の良さが最大限に発揮されています。
しかし上記以外にも
「前の曲が後ろの曲の良さを引き出している。」
という条件で見れば明確な二曲構成でなくとも更に
・「降る秋」→「イコール」(動→静)
・「彩-SAI- (後編)」→「暁を残して」(静→動)
・「colors of the wind」→「migration 1064 」(アルバム内でも聞き易いポップな二曲)
と挙げればキリがありません。
つまり徹底した「(1曲前の曲が後ろを引き立てる)二曲構成」を一貫することで、結果①→⑫まで見事にドミノ倒しのようにどの曲も曲単体よりも良さが発揮されているのです。
今まで曲単品で掻い摘んで聴く機会が多かった私は、続けて聴くことで「equal」の二曲連鎖を(直感的にでも)気付くまで少々時間が掛かってしまった訳です。
確かに『1曲1曲単位で見た時』、これは正直「Loop」の方が衝撃的な曲が多かったです。
しかし二曲構成で作られた波の高さは時に曲単体の高波を上回る時があります。
そして二曲の波が数珠のように繋がる『アルバムを通して見た時』、正にそこに「equal」の素晴らしさがあるのです。
最後に:
思えばチャドさんとの出会いがなければロックに疎い私がこのバンドに巡り合うこともなかったと思います。
そんなまだ「にわか」の粋を出ないであろうこの私が、大層にレビューするなんておこがましいかもしれませんが、とある会話の中でこのアルバムを実際に掘り下げて考える機会があったことと、今回奇遇にもサマソニ06に8/13(日)の東京のみですが遂にACIDMANが登場するということで、残念ながら大阪公演に突撃予定の私はその勇姿を拝むことはできませんが、「これも何かの縁だ」ということでアルバムだけでも、と果敢にも取り挙げてみました。
しかし、いざやってみると非常に難しかったです(汗
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