スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

赤木しげるという物語

さてさて・・今日は自分が麻雀を良く打っていた頃にハマっていた作品を取り上げたいと思います。

天-天和通りの快男児-/福本伸行  ★★★★★
(★は満点で5 ☆は★の1/2の評価)

天―天和通りの快男児 (1) 天―天和通りの快男児 (1)
福本 伸行 (1989/08)
竹書房
この商品の詳細を見る


全18巻

あらすじ:
大学受験を控えたは井川ひろゆき(ひろゆき)は小遣い稼ぎに雀荘で『理詰め』の麻雀を駆使して荒稼ぎしていた。
しかし勝ちが積もりすぎた為、遂に負け組が助っ人として天貴史(天)に声をかけ、ひろゆきと天はサシ馬勝負を行うことになる。勝負は天がオーラスに放ったイカサマ臭い天和九蓮宝灯で逆転、ひろゆきは敗北を喫する。これを機にひろゆきは天と交流を深め、更にはヤクザの沢田との出会いもあって、ひろゆきは代打ちと言われる裏麻雀の世界に足を踏み入れていくこととなる。

レビュー:
麻雀漫画が好きな方にとって今更私が『天』を語るなど野暮なことかもしれません。それ程麻雀漫画として、色々と有名になってしまった本作。

ですので、今回は主に焦点を二個に絞ってこの漫画に触れたいと思います。

①偉大すぎた赤木
序盤は『天』というタイトルとは裏腹に、ひろゆきというキャラの視点から物語は描かれていきます。
麻雀漫画として闘牌シーンを担う実力派の主人公が天・・
ひろゆきは理詰めと理外の麻雀の狭間で成長を遂げていく一般的視点の影の主人公・・
と言った役付けです。

つまり主人公が二人存在するのです。

しかし2巻でこの漫画の主柱となるカリスマが登場します。
そう、赤木しげる


その才気溢れる打ち回し、物事に執着しない飄々としたスタイル。同じ福本作品では『銀と金』の銀さんタイプ。
渋さと異端を兼ね備え、時折見せるさりげない心使いが単なる脇役でしかなかった赤木の急速的な人気に繋がって行きます。それは天の派生作品として「アカギ」という別漫画が生まれる程でした。
しかし彼の登場は実はこの作品の最大の成功でもあると同時に、失敗の種でもありました。

事実それまで一介の雀ゴロ漫画に過ぎなかった本作は赤木登場以降、天VS赤木更には東西戦を経て加速度的に面白くなっていきます。
その要因の一つは続々と登場する悪鬼のような雀豪陣の中でも赤木が魅せる技が光っていたからです。

しかし赤木の圧倒的な存在感が生むデメリットもありました。
余りに赤木という存在が際立ちすぎた為に終盤、完全に二人の主人公の存在が霞んでしまい、「天」というタイトルの意味が希薄になってしまったのです。
特に16巻~18巻は近代麻雀ゴールドで連載していたにも関わらず、全く麻雀を行わなまいまま丸々「赤木通夜編」につぎ込まれ赤木メインの話が続いてしまいます。

しかし一見麻雀漫画として破綻し、蛇足とも取れる通夜編も、逆に赤木という大筋があるからこそ違和感なく読むことができるのです。これが他のキャラだったら・・やはり盛り上がりに欠けたでしょう。

ひろゆき&天の二人の主人公も決して弱いキャラではありません。内面描写もちゃんとされており良い味が出てるキャラだと言えます。
しかしその二人を喰って話を飲み込んでしまう赤木は、読者も自然に認めてしまう不思議な格好良さがあるのです。

さて・・赤木という人物に関してはこれくらいにしまして・・
次は麻雀漫画としての『天』の魅力を語る上で欠かせない怒涛の闘牌を振り返ってみたいと思います。

②独断と偏見で選ぶ名シーンランキング

『天』全18巻の中で、雀豪たちが魅せた至極の技の数々・・

中でも私が思い出深いシーンをベスト3形式で挙げたいと思います。

キーワードはズバリ!四暗刻!

第三位 『四暗刻 無限待ち』
【和了者】健
【舞台】  東西戦一次予選 (単行本5巻 収録)
【注釈】 
健が西軍大将原田に見舞ったイカサマ四暗刻。少牌の12牌で四暗刻のみを作った状態から、相手の捨て牌に合わせて単騎待ちの牌を河から拾い、四暗刻単騎を直撃させるという破天荒な荒業。
(厳密に言うと単騎と四暗刻のタネの二牌を拾ってくるのだが)
生牌以外、即ち河に捨ててある牌なら何にでも単騎に変えることが可能な為、待ちは生牌以外無限に存在する
しかも敵が捨てた瞬間に河から拾い直撃する為に防御不可能
と攻撃面では無類の破壊力を誇るが、技発動条件が『少牌をした状態から』ということから、ハッキリ言ってバレバレのイカサマであるw
事実、健は半ば強引にこの技を成立させようと画策するが原田にあっさり見破られ憤死する。

続いて・・

第二位 『飛龍地斬 四暗刻』
【和了者】赤木&天
【舞台】  東西戦決勝 (単行本8巻 収録)
【注釈】 
東西戦において8人で争われた交代制麻雀で赤木と天のコンビが放った四暗刻。自模によって西陣営の二人を一気に飛ばす。
その経緯は、
(注:青文字は作中のナレーションを大まかに引用)

・赤木がまず凡手から四枚目の9ソウを引いて純チャン二盃口に仕立てる。
(凡手を龍に仕上げる)

・交代した天がカンによって暗刻を一気に重ね三暗刻トイトイの形にまで持っていく。ただ上がり目は3ピンただ一枚と日の目を見るかは危うい手。
(一手で転生!そして龍を地に潜らす)

・西側が差し込みを行うギリギリ一手前に、更に天が暗刻の一つをカン、リンシャンツモで四枚目の3ピンを自摸り四暗刻成就!
(龍は・・地を割った!!)


赤木の純チャン二盃口テンパイでも充分鬼ヅモだが(恥ずかしながら、私はこの役テンパったことも無い)、そこから切り替わって最後の四暗刻は100人打って99人が辿り着けないだろう和了。
正に赤木と天の二人の天才が織り成した、福本節爆発の飛龍地斬(笑)の名に相応しい和了と言える。



そして・・最後は栄光の・・!



第一位 『四暗刻 地獄待ち』
【和了者】赤木
【舞台】  天VS赤木 最終局(単行本3巻 収録)
【注釈】
これはやはり一位ということで、場面を追って詳しく紹介してみたいと思います。

オーラス・・トップの天と赤木の差は五万点以上。
赤木が逆転する為には役満直撃しかないという厳しすぎる状況。
しかし・・赤木は何とか執念で四暗刻をテンパイ。
天への直撃を狙って何とリーチをかける!

ただこの四暗刻気配は当然天も感じていた。
『直撃さえしなければ勝てる』、そう考えていた天の元に・・
20060607185930.jpg

四萬が槓子で揃う!!
単騎待ちだとしても四枚全て揃っている四萬で当たることはできない。
20060607190013.jpg

「これで四巡凌いで流局だ!」

自信を持って天は四萬を切った・・その刹那!!








赤木「うん・・その四萬だ・・」











20060607190000.jpg


赤木、何と四萬を地獄待ちで狙うと言う変則四暗刻で直撃!

しかし

20060607190025.jpg


すぐさまひろゆきが指摘を入れる。
「それじゃあリーチ タンヤオ 三暗刻 マンガン止まり 逆転しない・・!」
そう役満直撃でないと届かない状況で、この手は満貫しかない。
地獄待ちという意外性で直撃したまでは良かったが破壊力に欠けた・・はずだった。



赤木「ああ・・俺のアンコはそこにある・・」

20060607190538.jpg


20060607204800.jpg


ドラ表示牌で次々と二萬を出し、手持ちの暗刻の三萬をドラに変える赤木。

確かに赤木の手は三暗刻、即ち三つの暗刻までしかない。
しかし・・驚くべきことに四番目の暗刻は、手の中にではなく裏ドラの中に存在するというのだ!

これぞ正に赤木の人外の領域!

20060607204828.jpg


三暗刻止まりのこの手では満貫止まり。
しかしドラが丸々暗刻でのれば満貫にドラ9が追加され文句なく数え役満に届き逆転する!

天「こんな逆転があるか・・!」

赤木の四番目の暗刻が奇跡を起こすのか・・!?

タンッ!と運命の最後の裏ドラがめくられる!










20060607204838.jpg

20060607204849.jpg


だが結果はのらず・・!
この手はドラ6までしか追加されず倍満止まりになってしまう。


かくして赤木は逆転叶わず、その長い不敗の歴史に天により初めて敗北の二文字を刻まれることになる。


しかし・・・話はそれでは終わらない。
天は赤木が去る間際、ボソッと吐いた一言を聞き逃さなかった。
20060607205738.jpg


 天  「赤木が・・今立ち去る際何てもらしたかわかるか・・?」

ひろゆき 「は・・?」

天 「あたりまえみたいに・・隣か・・ていったんだ・・」


王牌に残る隣の裏ドラ表示牌をめくってみる天。
そこには・・

20060607205800.jpg

至極当然のように横たわる二萬。

つまり、ほんの横に一つズレていたならば裏ドラに二萬が暗刻で並び、三萬がそっくりそのままドラ9で乗る筈だったのだ。

天「全盛期の赤木ならここで三枚のせていたんだ・・」


確かに赤木は全盛期を過ぎ一度引退した身。

しかし負けて尚、その人知を超えた脅威を跡に残す男

天は青ざめるしかなかった・・
20060607205959.jpg



恐るべし赤木しげる!!!
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

個人的に赤木は負けっぷりがカッコイイと思うのですが…

東西戦にしてもあれ以上の負け方はない!という負け方で負けましたし、
月並みながら、負けてなお強しというところでしょうか?
むしろ負けることによって強さが際立つと言ったほうが正しいかもしれません(`・ω・´)

福本キャラの中でもここまでかっこよく負けられるのは赤木ぐらいかと思います。
銀さんは結局無敗のままだったし、カイジはかっこ悪く負けるし…
まあ、それはそれでらしいからいいのですがww


その点アカギは絶対負けないから面白くない(´・ω・`)

>すずさん
アカギは赤木の若かりし頃・・というのが完全にデメリットになってますね。
あの鷲巣麻雀も結局は勝敗は分かってる・・赤木が生き残るのが天の赤木が存在しているせいで読めてしまってますからね。
展開が読めるギャンブル漫画ほど失敗してるものはないかとw

赤木のすごい所は、負けても話の主役でいれる所ですよね。
赤木にしかできない負け方と言いますか・・仰る通り、「負け=死」に直結しがちな福本漫画でも敗北で魅せれる数少ないキャラですよね。
独り言:
この頃はこんなに面白かったのに・・今のカイジとアカギは(´;ω・)

麻雀は専門的な知識殆ど持ってない自分ですが、福本漫画はそういうもの抜きでも楽しめる生々しさがありますよね。
アカギ、天を越えてアニメになっちゃうほどの成り上がりっぷりに当時は笑ったモンでしたw

福本漫画とBECKははまるのがわかってたからあえてなるべく読まないようにして購入には踏み切っていなかったのですが…実家に帰省してみると弟がBECK全巻購入してやがりましたorz

…ヤッパリハマッチャッタヨ

だからいったんだ……。
はまると分かってて読むのは狂気の沙汰ッ…。

もう二度と這い上がることの出来ない…

『底なし沼』……!

(ざわ… ざわ…)

>エピタフさん

▼福本漫画はそういうもの抜きでも楽しめる生々しさがありますよね。
そうなんですよね。マニアックで専門的な打牌は余り挟まずに誰でも「漫画」として楽しめる「麻雀漫画」、それが天の人気の秘訣にも繋がってると思います。

そして・・・アカギは天よりも有名になってしまったのは寂しいところです;;

そしてBECKキター!w
ナント素敵な弟さんをお持ちですね(ハァハァ

私も全巻持ってますが、BECKにも最近思うところが・・
が!しかしッ!・・・

それは!それは!

割愛しておきます・・

・・グッ!・・・

(ざわ・・ざわ・・)

このブログの画像を見て、
二萬の隣の二筒や五筒でもドラ乗ってたじゃん!
ってことに初めて気がついたので記念にコメしてみました。
どう見ても今更です。
本当にありがとうございました。
カレンダー&アーカイブ(Tree)
06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

+ アーカイブ
 
カテゴリー
ブログ検索
最近のコメント
最近のトラックバック
プロフィール

M・E・R

Author:M・E・R
♂です。黒霧島が好きです。

※当ブログはリンクフリーです。

※記事と余りにかけ離れた内容のコメントはこちらで削除させて頂く場合があるのでご了承を。

LINK
カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。